Japanese
English
特集 自己免疫性膵炎の最前線
自己免疫性膵炎の病態
Pathophysiology of autoimmune pancreatitis
全 陽
1
Yoh ZEN
1
1Institute of Liver Studies, King's College Hospital, London
1Institute of Liver Studies,King's College Hospital,London
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
IgG4
,
Th2
,
サイトカイン
,
Tregs
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
IgG4
,
Th2
,
サイトカイン
,
Tregs
pp.603-607
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100204
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要旨
自己免疫性膵炎は,びまん性のリンパ球・形質細胞浸潤と線維化を特徴とし,しばしば多数の好酸球浸潤を伴う.その背景にある免疫応答に関しては,Th2優位の免疫応答が生じていると考えられている.また,制御性T細胞が病変局所に多数浸潤しており,制御性のサイトカインであるIL-10やTGF-βの発現も優位に亢進している.Th2優位の免疫応答が,病変局所の好酸球浸潤,末梢血の好酸球増多,IgEの上昇に関与している可能性がある.また,IL-10はIgG4産生を誘導するサイトカインで,TGF-βは線維化誘導性のサイトカインである.このような制御性サイトカインの発現が,IgG4陽性細胞の浸潤と線維化というIgG4関連疾患の病理組織像の形成に関与しているのかもしれない.
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