特集 消化器内科医のためのIgG4関連疾患
4.自己免疫性膵炎(2)診断体系
平野 賢二
1
1東京高輪病院消化器内科
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
ダイナミックCT
,
内視鏡的逆行性胆管膵管造影
,
超音波内視鏡下穿刺吸引生検
,
IgG4
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
ダイナミックCT
,
内視鏡的逆行性胆管膵管造影
,
超音波内視鏡下穿刺吸引生検
,
IgG4
pp.605-613
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001787
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自己免疫性膵炎(AIP)の診断において最も重要なポイントはAIPを疑うということである.AIPを疑うことができれば,画像所見,血液所見,病理所見をそろえてゆくことでたいていは診断可能である.膵腫大あるいは腫瘤病変の症例にダイナミックCTを施行し後期相での均一かつ遅延性増強パターンを示す場合にIgG4を測定して診断に至るというケースが実臨床では多い.膵癌との鑑別が問題になる場合は超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS-FNAB)が必須である.IgG4はきわめて有用なマーカーであるが,IgG4を過信すると誤診のリスクは増す.最終的にステロイドによる診断的治療に頼らなければならないケースはあるものの,安易な診断的治療は厳に慎むべきである.
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