特集 臨床に必要な消化管アレルギー疾患
3.食物アレルギー(1)診断
福冨 友馬
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター
キーワード:
食物アレルギー
,
IgE抗体
,
アレルゲンコンポーネント
Keyword:
食物アレルギー
,
IgE抗体
,
アレルゲンコンポーネント
pp.620-624
発行日 2023年5月20日
Published Date 2023/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002625
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食物アレルギーの診療は,当然ながら,詳細な問診から始まる.まずは,特定の食物の摂取により,再現性をもって症状が誘発されているか問診で評価する.疑わしい食物に対してIgE機序の反応が証明できるかどうかを評価するために,IgE抗体検査を行う.代表的なIgE抗体検査として,皮膚テストと血中食物アレルゲン特異的IgE抗体検査の二つがある.しかし,一般にあまりよく知られていないが,血中食物アレルゲン特異的IgE抗体検査は偽陽性,偽陰性が非常に多い.血液IgE検査の結果のみを根拠に食事指導を行ってはならない.食事指導は常に,実際の摂取時の症状の有無を根拠に行う必要がある.IgE抗体検査の診断性能向上のために,近年はアレルゲンコンポーネント解析という方法が利用できるようになってきた.
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