特集 臨床に必要な消化管アレルギー疾患
3.食物アレルギー(2)治療
伊藤 悠
1
,
小倉 聖剛
1
,
佐藤 さくら
1
1独立行政法人国立病院機構相模原病院小児科・臨床研究センター
キーワード:
食物アレルギー
,
治療
,
免疫療法
Keyword:
食物アレルギー
,
治療
,
免疫療法
pp.625-632
発行日 2023年5月20日
Published Date 2023/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002626
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食物アレルギーは,食物の摂取後に抗原特異的な免疫学的機序を介して惹起される不利益な現象と定義され,IgE依存性,非IgE依存性,混合性の機序が想定されている.それぞれに複数の臨床型が存在し,発症時期も異なる.本稿では,乳幼児期発症の食物アレルギーに対する治療について,最近の話題を中心に解説する.食物アレルギー患者に対する治療の基本は,少量からの段階的な経口負荷試験を基にした食事指導である.しかし,自然治癒が期待できず完全除去が必要な重症な食物アレルギー患者では,臨床研究としてではあるが,経口免疫療法(OIT)を中心とした免疫療法が選択できる.旧来のOITの問題点を踏まえ,安全性や継続性を改善すべくさまざまな方法が近年試みられており,今後のさらなるエビデンスの蓄積が期待される.
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