特集 あなたの知らないIBD診療の世界
2.新規治療法・検査法(2)UCに対する経口分子標的薬 ―JAK阻害薬,カロテグラストメチルはUCのどの場面で使うのか?(JAK 3剤の使い分けも含め)
横山 佳浩
1
,
仲瀬 裕志
1
1札幌医科大学医学部消化器内科学講座
キーワード:
トファシチニブ
,
フィルゴチニブ
,
ウパダシチニブ
,
カロテグラストメチル
,
オザニモド
Keyword:
トファシチニブ
,
フィルゴチニブ
,
ウパダシチニブ
,
カロテグラストメチル
,
オザニモド
pp.407-412
発行日 2023年3月20日
Published Date 2023/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002569
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近年では潰瘍性大腸炎(UC)に対する経口分子標的薬の開発が盛んに行われている.経口分子標的薬は低分子化合物であり,薬物抗体が産生される可能性が低いことや内服であるゆえの簡便さが長所として挙げられる.なかでもここ数年立て続けにJAK阻害薬3剤(トファシチニブ,フィルゴチニブ,ウパダシチニブ)がUCに対して保険適用となっている.3剤はそれぞれJAKに対する選択性や免疫調節薬との併用可否,代謝経路などが異なっている.また,2022年3月には経口α4インテグリン阻害薬であるカロテグラストメチルが保険適用となり,S1P受容体作動薬であるオザニモドも現在日本で治験が行われている.今後のUCの治療において経口分子標的薬はさらに選択肢が拡がることが予想され,それぞれの機序や特性を理解して使い分けていくことが重要である.
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