特集 病態から考え出されたIBD治療の進歩
Ⅵ.各種JAK阻害薬
秋田 義博
1
,
猿田 雅之
1
1東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科
キーワード:
炎症性腸疾患
,
JAK 阻害薬
,
トファシチニブ
,
フィルゴチニブ
,
ウパダシチニブ
Keyword:
炎症性腸疾患
,
JAK 阻害薬
,
トファシチニブ
,
フィルゴチニブ
,
ウパダシチニブ
pp.255-259
発行日 2018年5月20日
Published Date 2018/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000197
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炎症性腸疾患の治療薬は日々進歩し,とくに抗TNF-α抗体製剤により治療抵抗例もコントロール可能となってきた.しかし,時に同製剤でも難渋するケースを経験し問題となっている.そこで注目されるのが新規薬剤のJAK 阻害薬で,これは炎症を惹起する各種サイトカインが作用するJAK-STAT 経路を直接阻害するため,広範かつ強力に炎症作用を制御でき,治療抵抗例への寛解導入効果も期待されている.一方で,広範にサイトカイン作用を抑制するため感染症の副作用が懸念され,とくにアジア人では帯状疱疹が多くみられ注意が必要である.さまざまな新規薬剤が開発されており,各種薬剤の併用やスイッチなどについて,安全かつ有効な治療戦略の構築が必要な時代となっている.
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