最新基礎科学/知っておきたい
JAK阻害剤トファシチニブ(tofacitinib)
小嶋 俊久
1
1名古屋大学医学部附属病院整形外科
pp.564-568
発行日 2013年6月25日
Published Date 2013/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102728
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■はじめに
メトトレキサート(MTX)や生物学的製剤の導入により,この10年で,わが国においても関節リウマチ(以下,RA)の治療は大きく変化した.エビデンスに基づく,再現性の高い治療が可能となっている.生物学的製剤も現在6種類が本邦においても承認され,実臨床において使用可能である.一方で,多くの生物学的製剤のclinical trialのなかでも治療反応性の得られない症例が10~20%は存在する.治療抵抗症例への新たなアプローチ,また,注射剤に勝る利便性など経口の新規低分子抗リウマチ薬(DMARD)の開発への期待は大きい.
今回,ここ数年世界的に開発治験が進められ,2012年11月にアメリカ食品医薬品局(FDA)で承認された(本邦でももちろん治験が行われた),JAK阻害薬トファシチニブ(tofacitinib)について,その薬理作用,および臨床成績について概説したい.
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