特集 肝不全・肝硬変に対する再生療法―最先端の今
3.肝不全・肝硬変の治療の現状(1)ウイルス排除による肝機能の改善
疋田 隼人
1
1大阪大学大学院医学系研究科消化器内科
キーワード:
非代償性肝硬変
,
C型肝炎ウイルス
,
DAA治療
,
肝予備能
Keyword:
非代償性肝硬変
,
C型肝炎ウイルス
,
DAA治療
,
肝予備能
pp.1629-1635
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002027
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
本邦でもようやく2019年2月から非代償性肝硬変患者に対してインターフェロン(IFN)フリー直接作用型抗ウイルス製剤による治療(DAA治療)が可能となった.リアルワールドの使用成績として,高い忍容性とウイルス排除率と同時に,ウイルス排除により治療終了後早期に多くの患者で肝予備能が改善することが報告されている.一方,このような肝予備能改善が長期にわたって持続するかどうかについては,否定的な報告も出ており今後の検証が待たれる.とはいえ,本邦の非代償性肝硬変患者は高齢者が多く,また肝移植は限られており,治療開始後早期に肝予備能改善効果が期待できるDAA治療のメリットは大きいと考える.
Copyright © 2021, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.