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特集 肝疾患の早期発見・早期治療の要となる肝機能検査
肝硬変治療介入のための栄養評価指標としてのアルブミンの意義
Significance of albumin as markers of the nutritional status of patients with cirrhosis in treatment intervention
浪崎 正
1,2
,
吉治 仁志
1
Tadashi NAMISAKI
1,2
,
Hitoshi YOSHIJI
1
1奈良県立医科大学消化器・代謝内科
2同肝疾患相談センター
キーワード:
肝硬変
,
肝予備能
,
栄養管理
Keyword:
肝硬変
,
肝予備能
,
栄養管理
pp.219-222
発行日 2025年1月18日
Published Date 2025/1/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292030219
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アルブミン(ALB)は585個のアミノ酸からなる分子量66,000の分泌性タンパク質であり,総タンパクの半分を占める.ALBは,血漿膠質浸透圧維持作用,物質の輸送担体としての働き,アミノ酸供給源としての機能,抗酸化作用を持つ.ALBは肝細胞で産生され,血中半減期は2~3週間と比較的長く,慢性肝疾患の栄養アセスメントに適した指標である.低ALB血症の要因として合成低下,内因性異化亢進,漏出増加,体内分布異常が考えられる.ALB値は肝硬変の重症度を反映するChild-Pugh分類やALBIスコアの構成要素となっている.肝疾患診療において肝予備能は肝硬変の病態把握や予後予測において極めて重要な因子であり,『肝硬変診療ガイドライン』では難治性腹水,1型肝腎症候群,特発性細菌性腹膜炎を合併する非代償性肝硬変患者の予後改善を目的とするALB製剤の投与が推奨されている.
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