特集 いま知っておきたい! 内科最新トピックス
第6章 肝・胆・膵
非代償性C型肝硬変は直接作用型抗ウイルス薬(DAA)で克服されるか
豊田 秀徳
1
,
熊田 卓
2
1大垣市民病院消化器内科
2岐阜協立大学看護学部
キーワード:
C型肝炎
,
非代償性肝硬変
,
肝予備能
,
生命予後
Keyword:
C型肝炎
,
非代償性肝硬変
,
肝予備能
,
生命予後
pp.514-517
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_514
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Summary
・C型肝炎ウイルス(HCV)感染による非代償性肝硬変に対する直接作用型抗ウイルス薬(DAA)を用いた抗HCV療法が保険認可され,非代償性肝硬変症例においてもDAA治療によるHCV排除(SVR)と,それに伴う生命予後の改善効果が期待されている.
・英国の実臨床における非代償性肝硬変症例へのDAA治療では,80%以上の症例でSVRが達成され,SVR症例では非SVR症例に比して治療後の生存率が有意に高かった.
・多くのSVR症例では治療後の肝機能の改善が認められたものの,SVR達成後も肝機能が悪化する症例も認められた.
・わが国において非代償性C型肝硬変がDAAで「克服」できるかどうかについては,今後の長期予後を慎重に見極めていく必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2020