特集 自己免疫性膵炎(AIP)
4 .自己免疫性膵炎の診断基準とその実際
神澤 輝実
1
,
来間 佐和子
1
,
千葉 和朗
1
,
田畑 拓久
1
,
小泉 理美
1
,
菊山 正隆
1
1東京都立駒込病院内科
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
ステロイド
,
IgG4
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
ステロイド
,
IgG4
pp.173-180
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000226
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自己免疫性膵炎は,現時点では確実な血清学的マーカーがないことより,種々の特徴的な所見を総合して診断するが,膵癌との鑑別がとくに重要である.本邦に多いIgG4 関連疾患の膵病変(lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis;LPSP)である1 型自己免疫性膵炎と,欧米に多く膵管内への好中球浸潤(idiopathic duct‒centric pancreatitis;IDCP)を特徴とする2型自己免疫性膵炎を別々に診断する国際コンセンサス診断基準が2011 年に作成された.診断は,五つの主要項目〔CT/MRI による膵画像とERP による膵管所見,高IgG4 血症,膵外病変(肝門部/肝内胆管狭窄,後腹膜線維症,両側唾液腺/涙腺腫大,腎腫瘤),膵の病理(膵管周囲のリンパ球と形質細胞浸潤,閉塞性静脈炎,花筵状線維化,高度のIgG4 陽性形質細胞浸潤),ステロイドの反応性〕の組み合わせにより行われる.この国際基準を踏襲して本邦の1 型自己免疫性膵炎臨床診断基準も2011 年に改訂された.
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