特集 消化器内科医のためのIgG4関連疾患
4.自己免疫性膵炎(1)疫学
菊田 和宏
1
,
濱田 晋
1
,
正宗 淳
1
1東北大学大学院医学系研究科消化器病態学
キーワード:
1型自己免疫性膵炎
,
2型自己免疫性膵炎
,
疫学
Keyword:
1型自己免疫性膵炎
,
2型自己免疫性膵炎
,
疫学
pp.601-604
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001786
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全国疫学調査によれば,2016年1年間に受療した自己免疫性膵炎(AIP)患者は13,436人と推計されている.男女比は2.94:1で,平均年齢は68.1歳であった.日本で多く報告されているAIPは,IgG4関連疾患の膵病変であり,病理組織学的にはlymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis (LPSP)を呈する(1型AIP).一方,アジアに比べ欧米では病理組織学的に好中球上皮病変を特徴とする2型AIPの頻度が高い.1型に比べ,2型は診断時年齢が若く,膵炎や腹痛を呈することが多く,炎症性腸疾患を合併することが多い.1型,2型のいずれもステロイド治療への反応性は良好であるが,1型は2型に比べ再燃率が高い.
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