特集 上部消化管腫瘍における先進的内視鏡治療の進歩
2 .注目される内視鏡治療の実際(3)胃ESD における内視鏡的手縫い縫合法
樋口 和寿
1
,
後藤 修
1
,
貝瀬 満
1
,
岩切 勝彦
1
1日本医科大学付属病院消化器・肝臓内科
キーワード:
内視鏡的手縫い縫合法
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
後出血
,
遅発性穿孔
Keyword:
内視鏡的手縫い縫合法
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
後出血
,
遅発性穿孔
pp.48-53
発行日 2020年12月20日
Published Date 2020/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001638
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管腔内での確実な創閉鎖を目的として,軟性内視鏡用持針器と外科用縫合糸を用いて連続縫合する内視鏡的手縫い縫合法が開発された.粘膜欠損部を完全に閉鎖し,縫縮の強度も高く,閉鎖の維持も期待できるため,ESDのおもな術後偶発症である後出血や遅発性穿孔の予防策として期待されている.縫合手技の取得には一定の経験が必要と考えられるが,施行医だけでなく,介助者とのコミュニケーションが重要となる.胃ESDにおける臨床での安全性と抗血栓薬服用者における後出血の予防効果に関する報告もされており,他の消化管への応用も期待される.今後,本手技の確立とさらなる適応の拡大が待たれる.
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