特集 上部消化管腫瘍における先進的内視鏡治療の進歩
2 .注目される内視鏡治療の実際(6)早期十二指腸癌に対するESD
浦岡 俊夫
1
,
田中 寛人
1
,
中田 昂
1
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佐藤 圭吾
1
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關谷 真志
1
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橋本 悠
1
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保坂 浩子
1
,
栗林 志行
1
1群馬大学大学院医学系研究科内科学講座消化器・肝臓内科学
キーワード:
表在性非乳頭部十二指腸癌
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
リンパ節転移
,
偶発症
Keyword:
表在性非乳頭部十二指腸癌
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
リンパ節転移
,
偶発症
pp.67-74
発行日 2020年12月20日
Published Date 2020/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001641
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表在性非乳頭部十二指腸癌に対する膵頭十二指腸切除を含む外科切除は,患者への侵襲が大きいため,病変の一括切除が可能な内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)に対する期待は大きい.しかし,十二指腸ESDでは,スコープの操作性が不良なうえにワーキングスペースが狭いことによる技術的難易度が高く,筋層が薄いことによる術中穿孔や胆汁・膵液曝露による遅発性穿孔・後出血などの偶発症発症の問題がある.十二指腸ESDを完遂するためには,あらゆるESD関連機器・デバイスを持ち出し,内視鏡技術を集約させる必要があり,十分な治療経験が求められる.一方で,十分明らかとなっていない本症のより詳細な臨床病理組織学的検討や,内視鏡および外科切除の長期予後を含めた治療成績に基づく本症の適切な診療指針の確立につながるような検証が今後望まれる.
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