特集 内視鏡治療の偶発症と対策
Ⅶ.大腸ESD における出血と穿孔に対する対策
高丸 博之
1
,
斎藤 豊
1
,
山田 真善
1
,
関口 正宇
1
,
坂本 琢
1
,
松田 尚久
1
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
キーワード:
大腸粘膜下層剝離術
,
偶発症
,
後出血
,
穿孔
,
遅発性穿孔
,
クリップ縫縮
Keyword:
大腸粘膜下層剝離術
,
偶発症
,
後出血
,
穿孔
,
遅発性穿孔
,
クリップ縫縮
pp.155-163
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000168
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大腸ESD(endoscopic submucosal dissection)は低侵襲で有用な治療であるが出血・穿孔などの偶発症が起こりうるため,その対策が重要である.いずれの場合も予防が重要である.出血に対しては予防的焼灼や抗血栓薬内服のマネジメントが重要となる.術中穿孔に対しては穿孔部からの腸管液漏出を避け,視野を確保しながらクリップ縫縮を施行する.遅発性穿孔に対しては速やかに外科手術等の対応を行えるよう,ESD 後の診察・評価が重要である.いずれの場合も偶発症が起こりうるものという認識のもと,十分なインフォームド・コンセントを行うことで,緊急時における対応もよりスムースとなる.
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