特集 遭遇の機会が増えたIPMN/膵囊胞―現状と課題
2 .IPMN/膵囊胞の診療(1)国際診療ガイドラインによる診断とサーベイランスの現状と問題点
渡邉 雄介
1
,
大塚 隆生
1
,
森 泰寿
1
,
池永 直樹
1
,
仲田 興平
1
,
中村 雅史
1
1九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科
キーワード:
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
国際診療ガイドライン
,
経過観察
Keyword:
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
国際診療ガイドライン
,
経過観察
pp.1453-1459
発行日 2019年10月20日
Published Date 2019/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000965
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2017 年に「膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm;IPMN)国際診療ガイドライン」が改訂され,おもにIPMN の切除基準と経過観察法が修正された.切除基準では,high‒risk stigmata とworrisomefeatures の項目や内容が見直され,壁在結節高のカットオフ値が導入されるなど,より実臨床に則した基準となった.経過観察法では,IPMN の囊胞径に応じた経過観察間隔がより詳しく記載されたが,この経過観察法はIPMN 併存膵癌発症のリスクは考慮していないため,IPMN の進展と同時にIPMN 併存膵癌の出現に対する注意も必要である.本稿では,2017 年改訂版「IPMN 国際診療ガイドライン」に基づく切除適応と経過観察の現状と問題点を,海外の他のガイドラインとも比較し,概説する.
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