特集 遭遇の機会が増えたIPMN/膵囊胞―現状と課題
2 .IPMN/膵囊胞の診療(4)悪性IPMN とIPMN 併存膵癌の診断におけるEUS の役割
鎌田 研
1
,
原 茜
2
,
山雄 健太郎
1
,
竹中 完
1
,
工藤 正俊
1
1近畿大学病院消化器内科
2近畿大学病院総合医学教育研修センター
キーワード:
EUS
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
膵癌
Keyword:
EUS
,
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
膵癌
pp.1476-1481
発行日 2019年10月20日
Published Date 2019/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000968
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IPMN の良悪性鑑別を行ううえで,囊胞内における壁在結節の有無を診断することが重要である.2017 年に「IPMN 国際診療ガイドライン」が改訂され,壁在結節に造影効果および結節高に関する基準が新たに設けられた.近年,IPMNの良悪性鑑別を目的とし,造影ハーモニックEUS( CH‒EUS)による壁在結節の評価に着目した研究が散見される.CH‒EUS は壁在結節と粘液塊の鑑別やIPMN の良悪性診断に有用な診断法となりうる.本邦を中心にIPMN を有する症例にIPMN 併存膵癌が発生するリスクが高いことが多数報告されている.自験例において,EUS およびCH‒EUS はIPMN 経過観察例やIPMN 外科的切除後の残膵フォローアップ例に発生しうるIPMN併存膵癌の早期発見に有用であった.
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