特集 遭遇の機会が増えたIPMN/膵囊胞―現状と課題
2 .IPMN/膵囊胞の診療(10)IPMN/膵囊胞はいつまで観察が必要か?
大山 博生
1
,
多田 稔
1
,
濱田 毅
1
,
中井 陽介
1
,
小池 和彦
1
1東京大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
IPMN 由来膵癌
,
IPMN 併存膵癌
,
ガイドライン
,
累積発癌率
Keyword:
IPMN 由来膵癌
,
IPMN 併存膵癌
,
ガイドライン
,
累積発癌率
pp.1514-1517
発行日 2019年10月20日
Published Date 2019/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000974
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IPMN は膵癌発症のリスク因子であり,定期的なフォローアップを行うことで膵癌の早期診断が期待できる.多くの場合無症状であり画像検査の果たす役割が大きいが,MRCP やEUS などコストの高い検査を要するため,適切なフォローアップの基準が求められている.“high risk stigmata”や“worrisomefeatures”はIPMN 由来膵癌発症リスクの指標であるが,別個に発症リスクのあるIPMN 併存通常型膵癌については必ずしも当てはまらず,またフォローアップ期間についてはガイドラインによって記載内容が異なる.さらに,5 年以上の長期観察において発癌する症例も少なくない.フォローアップの期間や間隔についてのエビデンスに基づいた基準,また高リスク群のみならず低リスク群の絞り込みも重要である.
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