特集 遭遇の機会が増えたIPMN/膵囊胞―現状と課題
2 .IPMN/膵囊胞の診療(5)ERCP によるIPMN の悪性度診断
越田 真介
1
,
菅野 良秀
1
,
小川 貴央
1
,
枡 かおり
1
,
野田 裕
1
,
伊藤 啓
1
1仙台市医療センター仙台オープン病院消化管・肝胆膵内科
キーワード:
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
ERCP
,
細胞診
,
セルブロック法
Keyword:
膵管内乳頭粘液性腫瘍
,
ERCP
,
細胞診
,
セルブロック法
pp.1482-1489
発行日 2019年10月20日
Published Date 2019/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000969
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IPMN に対する診断的ERCP の意義は,① IPMN 自体の診断,② 主膵管進展の診断,③ 細胞組織診目的の膵検体採取の三つがある.本邦ではIPMN の悪性診断を目的とした膵検体採取のほとんどはERCP 下で行われている.通常のsmear 法を用いた膵液吸引法の感度は30%程度と低いために,ブラッシング,洗浄吸引,膵管鏡下採取,セクレチン投与などさまざまな工夫の報告がある.われわれは採取膵液の検体処理法を2005 年以降cell block 法に切り替え,これにより免疫染色を含めた評価が可能となり,分枝型IPMN の悪性診断能の向上が得られた.さらに主膵管型IPMN 切除例の検討から,主膵管型に関しても画像所見に加えて採取膵検体の細胞組織評価がより正確な悪性診断に寄与できる可能性を示した.
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