炎症性腸疾患診療のupdate
Ⅲ 炎症性腸疾患の検査法 ④CT・MRI
渡辺 憲治
1
,
上小鶴 孝二
2
,
横山 陽子
2
,
宮嵜 孝子
2
,
樋田 信幸
2
,
中村 志郎
1,2
1兵庫医科大学腸管病態解析学
2兵庫医科大学炎症性腸疾患内科
キーワード:
炎症性腸疾患(IBD)
,
クローン病(CD)
,
CT enterography( CTE)
,
MR enterography( MRE)
Keyword:
炎症性腸疾患(IBD)
,
クローン病(CD)
,
CT enterography( CTE)
,
MR enterography( MRE)
pp.751-755
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000794
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炎症性腸疾患(IBD)の診療は,症状の寛解のみならず,CRP や便カルプロテクチンの正常化,さらには粘膜治癒と,より高度かつ客観的な治療目標の達成と維持を志向するようになっている.関節リウマチの世界から導入されたtreat to target の概念は,IBD でもCALM Study などでエビデンスとして示され1),とくに潰瘍性大腸炎の企業治験や臨床研究では内視鏡的粘膜治癒の確認は必須事項となっている2).種々の新規薬剤の開発が続くIBD の世界で,新規薬剤の特性を理解した最適な投与は当然重要な要素であるが,それと同等に重要な要素と考えられているのが,モニタリングの精度である.CALM Study では,臨床症状モニタリングによる治療群に比べ,CRP や便カルプロテクチンなど客観的モニタリングを加えた群のほうが,それらの結果に基づき,頻繁に治療内容を変更したことにより,48 週後の臨床的寛解や粘膜治癒などの治療目標達成率が有意に上昇した,との結果を示した.つまり客観的なモニタリングに基づいて継続的に治療内容を調整し続けることの重要性が示されたのだと筆者は考えている.
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