連載 手技の解説
Endocyto を使った内視鏡診断の実際:大腸
工藤 進英
1
,
加藤 一樹
1
,
森 悠一
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
キーワード:
超拡大内視鏡
,
EC分類
,
EC-V分類
Keyword:
超拡大内視鏡
,
EC分類
,
EC-V分類
pp.107-111
発行日 2018年12月20日
Published Date 2018/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000627
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大腸腫瘍診断学は拡大内視鏡の登場により飛躍的に向上してきた.拡大内視鏡を用いたpit pattern診断学が確立され,腫瘍・非腫瘍の鑑別のみならず腫瘍の深達度診断までもが可能となった.NBI(Narrow Band Imaging)の登場により大腸表層における微小血管の形態が観察可能となり質的診断の精度は一段と高くなった.しかし,現在の大腸腫瘍の確定診断のgold standardは生検による病理診断である.生検による病理診断は,結果が出るまでに時間を要し,さらに出血のリスクを伴う.とくに近年は抗血栓薬を内服している症例も多く,止血困難な出血を引き起こす可能性もあり生検には慎重な判断を要する場合もある.近年登場した次世代の拡大内視鏡(Endocyto;EC,オリンパス社)は500倍の超拡大機能を搭載し,構造異型に加え細胞異型(=核の異型)の評価を可能とした.ECを用いれば,病変の組織を採取することなく,真の“optical biopsy”を実現できる可能性があり,実臨床における本格的な評価が待たれる.
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