Japanese
English
増刊号 消化管拡大内視鏡診断2016
序説
消化管拡大内視鏡診断2016
Introduction
工藤 進英
1
Shin-ei Kudo
1
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
キーワード:
拡大内視鏡
,
陥凹型腫瘍
,
超拡大内視鏡
,
narrow-band imaging
,
pit pattern診断
Keyword:
拡大内視鏡
,
陥凹型腫瘍
,
超拡大内視鏡
,
narrow-band imaging
,
pit pattern診断
pp.533-534
発行日 2016年5月24日
Published Date 2016/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200611
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筆者らは幻の癌,IIc型を発見した当時,陥凹型腫瘍が大腸癌の発育進展において非常に重要な意味を持つことを確信していた.陥凹型腫瘍がde novo癌であること,大腸癌のメインルートであることを立証するために,非常に重要な役割を果たしたのが拡大内視鏡である.当初は内視鏡・実体顕微鏡・病理組織学的所見を緻密に一対一対応させていたが,より詳細な検討のためには生体内での拡大観察が必須であることを痛感していた.
拡大内視鏡の開発は,1960年代後半に町田製作所やオンリンパス社により始まっていたが,IIcが発見された1980年前後にはズーム式の拡大電子スコープは存在しなかった.そこで筆者らは,生体内での拡大観察が今後の内視鏡診断体系を変えるという熱い信念の下,オリンパス社と拡大内視鏡の開発に着手した.そして1993年に発売されたオリンパス社のズーム式拡大電子スコープCF-200Zを汎用機として送り出すことができた.その開発の際,秋田赤十字病院の研修医も協力してくれたが,試作機の先端硬性部が長く,盲腸までの挿入は困難を極めた.しかし,拡大内視鏡を完成させるという気持ちの強さが挿入法の工夫につながり,軸を保ち,ねじれを作らない短縮法,すなわち軸保持短縮法の開発につながった.
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