特集 NASH2018
2 .NASH の診断—アルゴリズムと問題点
杉本 和史
1
,
竹井 謙之
1
1三重大学医学部消化器肝臓内科
キーワード:
診療ガイドライン
,
アルコール性肝障害
Keyword:
診療ガイドライン
,
アルコール性肝障害
pp.17-23
発行日 2017年12月20日
Published Date 2017/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000194
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NAFLD/NASH の診断はアルゴリズムによると,肝障害,脂肪肝が指摘された場合,他の脂肪肝をきたす疾患として第一にウイルス性肝炎,自己免疫性肝疾患を否定することとされている.最近ではNAFLD 様の病態を示す薬剤も多数報告されており,これらの否定も必要である.鑑別でもっとも問題となるのはアルコール性肝障害である.「NAFLD/NASH 診療ガイドライン2014」では,NAFLD 診断のための飲酒量をエタノールで男性30 g/day,女性20 g/day未満としているが,現実的には正確な飲酒量の評価は困難であることがあり,診断に迷うことも多い.NAFL とNASH の鑑別には現在では肝生検がgolden standard であるが,今後NAFLDの有効な治療法とともに経過を非侵襲的に追跡できる有用なバイオマーカーの開発が待たれる.
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