特集 NAFLD/NASH診療のイノベーション―ガイドラインからパイプラインへ
Overview
NAFLD/NASHにおける肝発がんの実態と予後
徳重 克年
1
Katsutoshi TOKUSHIGE
1
1東京女子医科大学消化器内科
キーワード:
非アルコール脂肪性肝疾患
,
肝細胞がん
,
アルコール性肝障害
Keyword:
非アルコール脂肪性肝疾患
,
肝細胞がん
,
アルコール性肝障害
pp.1271-1276
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1271
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Summary
▪近年本邦においては,非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)やアルコール肝障害(ALD)を基盤にした肝細胞がん(HCC)が増加している.
▪高齢・男性・高度肝線維化・酸化ストレス・軽度飲酒・糖尿病が,NAFLDからの肝発がん危険因子とされる.
▪NAFLD-HCCでは,生活習慣病の合併が多く,とくに男性では肝硬変の合併率が低率である.
▪腫瘍マーカーはPIVKA-2の陽性率が高く,再発率は5年で約70%と高率である.
▪今後,NAFLDからの効率的なHCCスクリーニング体制の確立,発がん・再発予防対策,発癌機構の解明などの問題の解明が期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2018