特集 透析患者の心臓病―診療の最前線を学ぼう
7.ファブリー病
酒巻 裕一
1
,
丸山 弘樹
2
1新潟県立新発田病院腎臓内科
2新潟大学大学院医歯学総合研究科腎医学医療センター
キーワード:
ファブリー病
,
α―ガラクトシダーゼ
,
酵素補充療法
Keyword:
ファブリー病
,
α―ガラクトシダーゼ
,
酵素補充療法
pp.73-79
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002013
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ファブリー病はX連鎖性遺伝形式をとり,α―ガラクトシダーゼの活性低下により全身の臓器に糖脂質が蓄積する.古典型では若年時の四肢末端痛・発汗障害に始まり,成人期には心肥大・不整脈,尿蛋白・慢性腎臓病など臓器病変を呈し最終的に腎不全,心不全に至る.確定診断には遺伝学的検査を要する.酵素補充療法を2週間に1回継続することで,臓器障害の進行を抑制し患者のQOLの改善に寄与することが期待される.早期発見,治療開始には家系調査が望ましく,またあわせて,遺伝カウンセリングの提供が望ましい.
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