特集 透析患者の心臓病―診療の最前線を学ぼう
6.肥大型心筋症の診断と治療―閉塞性肥大型心筋症を中心に
秋田 敬太郎
1
,
前川 裕一郎
1
1浜松医科大学内科学第三講座
キーワード:
肥大型心筋症
,
閉塞性肥大型心筋症
,
中隔縮小治療
Keyword:
肥大型心筋症
,
閉塞性肥大型心筋症
,
中隔縮小治療
pp.67-72
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002012
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肥大型心筋症は遺伝性の心筋疾患であるが,遺伝子変異がなくても同様の表現型を呈する症例が存在する.肥大型心筋症の表現型は五つに分類されるが,なかでも閉塞性肥大型心筋症に分類される症例は,心不全や失神,突然死などのリスクが高く,適切な生活指導および薬物療法が必要である症例も多い.透析症例では,使用できる薬剤が限定されることから薬物療法に反応しない症例も多く,薬物療法抵抗性の症例においては積極的に中隔縮小治療の実施につき検討する必要がある.なお,実施の際には,手技に習熟したハートチームを有する施設への紹介が望ましい.透析の管理においては,より適切なドライウエイトの設定が重要であり,設定されたドライウエイトが適正と考えられるものより低い場合は,左室内閉塞による胸痛や血圧低下を招くことがあり注意が必要である.
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