特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[1]-統計・総論、その他-
その他 Capnocytophaga感染症によって四肢切断を余儀なくされたイヌ咬傷の1例
横田 和典
1
1広島大学病院 形成外科
キーワード:
Clindamycin
,
イヌ
,
咬傷と刺傷
,
四肢
,
肢切断術
,
デブリードマン
,
多剤併用療法
,
グラム陰性細菌感染症
,
Sultamicillin
,
細菌培養
,
電撃性紫斑病
,
血液培養
,
Capnocytophaga canimorsus
Keyword:
Amputation, Surgical
,
Bites and Stings
,
Extremities
,
Blood Culture
,
Gram-Negative Bacterial Infections
,
Dogs
,
Debridement
,
Drug Therapy, Combination
,
Clindamycin
,
Purpura Fulminans
,
Capnocytophaga Canimorsus
,
Sultamicillin
pp.159-163
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021157797
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症例は58歳女性で、発熱、下痢、嘔吐を主訴とした。近医にて著明な白血球減少と意識レベル低下を認め、救急搬送後数時間で四肢末梢・鼻尖に激しい疼痛を伴う紫斑が出現した。電撃性紫斑病を疑いメロペネム投与を開始したが紫斑は徐々に黒化し、第5病日に判明した血液培養の結果とイヌの飼育歴と合わせてCapnocytophaga感染症と推測した。スルバクタム/アンピシリンとクリンダマイシン治療により全身状態の安定を待ち、第28病日に両膝下での下腿切断、左手は基節骨レベルでの軟部組織デブリードマン、右手はMP関節での切断を行った。骨が露出した左手指に対しては腹部皮弁で温存を試み、示指と中指は末梢部分を温存でき、退院時には左手ではさむ動作が可能となった。回復期病院に転院して義足による歩行訓練と残存手による作業療法を行い、発症後9ヵ月で支持なしで50m以上歩行可能となり、日常生活動作は時間をかけて自立している。
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