特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[4]-上肢・手・指の骨髄炎ほか-
イヌ咬創によって右示指に骨髄炎を生じた1例
渡邊 英孝
1
,
上村 哲司
1佐賀大学医学部附属病院 形成外科
キーワード:
Clindamycin
,
Minocycline
,
Vancomycin
,
X線診断
,
イヌ
,
咬傷と刺傷
,
骨髄炎
,
内固定法
,
骨ワイヤー
,
手指外傷
,
Sultamicillin
,
人獣共通感染症-細菌性
,
指節骨骨折
Keyword:
Bites and Stings
,
Finger Injuries
,
Fracture Fixation, Internal
,
Bacterial Zoonoses
,
Bone Wires
,
Minocycline
,
Vancomycin
,
Osteomyelitis
,
Radiography
,
Dogs
,
Clindamycin
,
Sultamicillin
pp.539-543
発行日 2021年5月10日
Published Date 2021/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021227808
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49歳女性。イヌによる右示指咬創を主訴とした。右示指遠位指節間関節部(DIP)周辺に2/3周におよび挫創を認め、単純X線所見より右示指末節骨開放骨折と診断した。経皮的鋼線刺入固定術を行ったが、術後約2週より創部腫脹、発赤、疼痛が出現した。創部感染、骨髄炎併発を疑って鋼線ピン抜去、リュウエルで末節骨の腐骨部分の削骨、十分な洗浄を行い、創を疎に縫合した。創部からMRSAを検出したため、術後2週間の経静脈的抗生剤投与を行った。本症例は比較的清浄な創部と考えて一次縫合としたが、ネコやイヌによる手指や四肢の咬創は深部組織までおよんで重症化しやすいため、二次治癒または二期的な縫合を行うべきであった。
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