特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[1]-統計・総論、その他-
その他 イノシシ咬傷(wild boar attack)の2例 イヌ・ネコ咬傷との違い
牧口 貴哉
1
,
平井 優樹
,
辻本 賢樹
,
佐藤 誠
1群馬大学医学部附属病院 形成外科
キーワード:
咬傷と刺傷
,
洗浄療法
,
皮膚
,
皮膚移植
,
縫合法
,
多発性外傷
,
Sultamicillin
,
イノシシ
,
静脈内注入
Keyword:
Bites and Stings
,
Suture Techniques
,
Skin
,
Therapeutic Irrigation
,
Multiple Trauma
,
Skin Transplantation
,
Infusions, Intravenous
,
Sus scrofa
,
Sultamicillin
pp.164-169
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021157798
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症例1は60歳女性で、公園でイノシシに襲われ、右膝・右上腕・両前腕に計6ヶ所の多発咬傷を受傷した。初診時に生理食塩水でのブラッシング洗浄とスルバクタム・アンピシリンの点滴を行い、右膝部に対しては受傷後9日に分層植皮を行った。その他の受傷部位は保存的治療で二次治癒した。症例2は75歳男性で、公園でイノシシに襲われている人を助け左大腿・両下腿・両手・左頬部に計7ヶ所の多発咬傷を受傷した。初診時に症例1と同様の処置を行った。右大腿部は深達性穿通性挫創であったが重篤な神経血管損傷は認めず、右下腿咬傷は受傷後7日に単純縫合を施行した。その他の部位は保存的治療で上皮化した。イヌ・ネコペット咬傷と比較してイノシシ咬傷の特徴は、下肢外傷・深達性創が多く多発創になりやすいことである。
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