特集 ペット咬創への初期治療と機能・整容の改善[3]-顔面の組織欠損を伴うイヌ咬創(2)口唇以外-
再建に苦慮した鼻翼欠損を伴うイヌ咬創の1例
藤田 宗純
1
,
齋藤 昌美
,
小山 明彦
1福島県立医科大学 形成外科学講座
キーワード:
イヌ
,
顔面外傷
,
外科的皮膚弁
,
咬傷と刺傷
,
術後合併症
,
デブリードマン
,
鼻
,
瘢痕
,
鼻形成術
,
鼻中隔
,
鼻唇溝
,
手術創
Keyword:
Bites and Stings
,
Facial Injuries
,
Surgical Wound
,
Surgical Flaps
,
Nasal Septum
,
Nose
,
Postoperative Complications
,
Rhinoplasty
,
Dogs
,
Debridement
,
Cicatrix
,
Nasolabial Fold
pp.409-414
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2021212508
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55歳女性。イヌに鼻を咬み切られたことによる挫創(右鼻翼欠損)を主訴とした。近所の飼い犬に鼻と左前腕を咬まれ、当日に受診した。創部を洗浄し、左前腕部の咬創に対し開放療法を行った。右鼻翼部は鼻柱側を茎とした皮弁状の挫裂創に対し一次的に縫合閉鎖した。この際、ドレナージのために粗く一層縫合とした。破傷風トキソイドを筋肉注射し、ペニシリン系抗生剤を経口投与した。受傷後1日に鼻翼部の弁状組織の末梢にうっ血を認め、受傷後26日にその大部分が全層壊死した。受傷後54日にデブリードマンと鼻唇溝皮弁による右鼻翼の再建術を施行した。術後、皮弁は完全生着し、再建術後4ヵ月半に右鼻翼修正術を施行した。その後も鼻翼修正術を2回、瘢痕拘縮形成術を1回施行した。初回再建術より術後4年7ヵ月に鼻中隔延長術を用いた鼻形成術を施行し、更に術後6年3ヵ月に右のsupra-alar groove作成を行い、正面視での対称性が得られた。
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