発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012350828
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
42歳男。左手尺側の痛みを主訴とした。コントロール不良の糖尿病患者で、飼いイヌに左手尺側を咬まれて受傷し、4日後に紹介受診した。初診時には左手根部尺側に排膿を伴う開放創があり、手掌から前腕遠位に腫脹と発赤がみられ、単純X線像、CTでは小指球部皮下のガス像を認めた。イヌ咬創によるガス壊疽を疑い、直ちに抗菌薬の点滴投与を開始して小指球部の壊死組織のデブリドマンと創の縫合を行った結果、手指の機能障害を認めることなく治癒した。なお、膿の培養からStreptococcus群とPasteurella multocidaが検出されたが、Clostridiumは検出されなかった。動物咬創によるガス壊疽は極めて稀である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012