特集 美容医療の合併症から学ぶ[3]-乳房増大術ほか-
スレッドリフト後に生じた顔面皮膚瘻孔の1例
福田 健児
1
1大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター 形成外科
キーワード:
術後合併症
,
皺とり形成術
,
X線CT
,
皮膚疾患-顔面
,
病歴聴取
,
皮膚瘻
Keyword:
Facial Dermatoses
,
Cutaneous Fistula
,
Medical History Taking
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Rhytidoplasty
,
Postoperative Complications
pp.566-569
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2020276488
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77歳女。左頬部の潰瘍を主訴とした。左頬部に化膿性肉芽腫様の隆起性病変とその皮下の硬結を認め、表面からの培養検査は陰性であり、CTでは両頬部に小さな高吸収像と、隆起性病変と一致した部位に皮下へ続く低吸収像を認めた。特発性の化膿性肉芽腫などを疑い切除したところ、肉芽の奥に続く瘻孔と、瘻孔の底にあたる頬骨付近で上方へ続く青い糸を認め、スレッドリフトの可能性に気付いた。その時点で十数年前に美容外科の手術を受けたことが聴取され、術創から可及的に糸を牽引して瘻孔の底部を含めて切除したところ、切除標本に青い糸と小さい白いプラスチック様の物質を認め、ループタイプの糸を用いたスレッドリフトが施行されていたと推察された。術後3ヵ月経過時点で瘻孔の再発は認めない。
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