特集 ピーンチ!私はこうして切り抜けた
梨状窩瘻 瘻孔がみつからない
藤野 明浩
1
,
大野 通暢
,
沓掛 真衣
,
藤田 拓郎
,
朝長 高太郎
,
山田 洋平
,
田原 和典
,
金森 豊
,
菱木 知郎
1国立成育医療研究センター 臓器・運動器病態外科部外科
キーワード:
下咽頭
,
甲状腺炎-化膿性
,
再発
,
超音波診断
,
X線CT
,
内視鏡法
,
皮膚瘻
,
梨状陥凹瘻
Keyword:
Thyroiditis, Suppurative
,
Ultrasonography
,
Hypopharynx
,
Cutaneous Fistula
,
Endoscopy
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Recurrence
pp.957-961
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2020146046
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11歳男児。7年前より左急性化膿性甲状腺炎を繰り返し、6年前に瘻孔切除術が行われた。切除組織内には瘻孔を認めず、その後、数回の感染を経て1年前に残存病変の摘出術が行われた。しかし、感染再発を認め、2度目の感染時に当院へ紹介となった。所見では左前頸部に膿瘍の穿破した皮膚瘻がみられ、超音波では左梨状窩付近から甲状腺左葉の外側へ連続し、皮下に広がる内部不均一な不整形低輝度病変が認められた。また、造影CT検査では甲状腺左葉部の皮下に膿瘍形成、その病変が接する左葉の一部が欠損していた。以上、これらの所見を踏まえて、内視鏡像で食道の左やや背側の梨状窩に瘻孔を確認し、瘻孔を完全切除した結果、術後は感染の再燃なく、目下、術後2年で経過良好である。
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