特集 Rare tumorの最新知識
Ⅱ.子宮体部腫瘍
2.明細胞癌
小笠原 仁子
1
,
長谷川 幸清
1
A. Ogasawara
1
,
K. Hasegawa
1
1埼玉医科大学国際医療センター包括的がんセンター婦人科腫瘍科
pp.841-848
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001808
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子宮体部明細胞癌は子宮体癌全体の約2%と稀な組織型である。子宮体癌で最も多い組織型である類内膜癌のみならず,同じ特殊型として分類されている漿液性癌とも異なる分子病理学的特徴を示す。その一方で,卵巣明細胞癌との類似性も一部で示唆されている。臨床的には子宮外やリンパ節への転移が多く,予後は不良とされている。分子遺伝学的には均一な集団ではなく,最近の分子プロファイルでも類内膜癌同様に4つのサブタイプに分類される。治療に関しては,再発高リスク型の子宮体癌として治療が計画され,腫瘍切除およびステージング手術のうえ,症例に応じて術後療法を検討することが多い。前向き臨床試験では明細胞癌は含まれていてもわずかであり,エビデンスは限定的な場合がほとんどである。
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