Japanese
English
症例報告
明細胞肉腫の1例
A case of clear cell sarcoma
藤井 鷹矢
1
,
脇 裕磨
1
,
青木 礼奈
1
,
簗場 広一
1
,
伊藤 宗成
1
,
延山 嘉眞
1
,
朝比奈 昭彦
1
,
石田 勝大
2
,
松浦 愼太郎
2
Takaya FUJII
1
,
Yuma WAKI
1
,
Ayana AOKI
1
,
Koichi YANABA
1
,
Munenari ITOH
1
,
Yoshimasa NOBEYAMA
1
,
Akihiko ASAHINA
1
,
Katsuhiro ISHIDA
2
,
Shintaro MATSUURA
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2東京慈恵会医科大学形成外科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Plastic Surgery, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
明細胞肉腫
,
悪性黒色腫
,
clear cell sarcoma
,
Ewing sarcoma breakpoint region 1
Keyword:
明細胞肉腫
,
悪性黒色腫
,
clear cell sarcoma
,
Ewing sarcoma breakpoint region 1
pp.347-351
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205993
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要約 48歳,女性.初診2年前,左手掌の褐色結節を自覚し,増大傾向にあるため当科を受診した.左手掌に直径20mm大のドーム状に隆起した弾性硬の灰色の結節を認めた.病理組織学的に表皮との連続性はなく,真皮浅層から皮下組織に紡錘形から多角形で淡明な細胞質と明瞭な核小体を有する淡明な核からなる腫瘍細胞の増殖を認めた.腫瘍細胞はS100蛋白,HMB-45,Melan-Aが陽性であり,EWSR1転座を認めたため,明細胞肉腫と診断した.同腫瘍を20mm離して切除し,内側足底皮弁にて再建した.術後1年経過した現在,遠隔転移や再発を認めていない.明細胞肉腫は,悪性黒色腫と病理組織学的所見や免疫組織学的所見が類似しているため,鑑別が問題になることがある.確定診断のためにはEWSR1/ATF1遺伝子の転座を検索することが有用である.また,明細胞肉腫の予後は良いとは言えず,術後29年で遠隔転移を認めた報告もあることから,長期間の経過観察が必要である.
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