特集 難治性婦人科悪性腫瘍の臨床最前線
7.卵巣明細胞癌
織田 克利
1
K. Oda
1
1東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座
pp.745-749
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000489
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卵巣明細胞癌は,高異型度卵巣漿液性癌とは異なった.特有の発がん機序を有すると考えられているが,治療の個別化には至っていない。遺伝子変異(ARID1A,PIK3CAなど)や発現プロファイルに基づく分子標的治療,Precision Medicineの確立が望まれる。卵巣明細胞癌と腎明細胞癌は形態学的な所見のみならず,生物学的特徴も共通性を有することが知られており,共通の分子標的薬が有効である可能性がある。PI3K/mTOR経路の阻害剤のほか,特に免疫チェックポイント阻害剤については,卵巣明細胞癌でも著効例が報告されており,今後の臨床応用への発展を期待したい。
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