今月の臨床 婦人科がんの化学療法—われわれはこうしいる
卵巣明細胞癌の化学療法
西田 正人
1
1筑波大学臨床医学系産婦人科
pp.718-722
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902974
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卵巣明細胞癌(clear cell carcinoma)に対してコンセンサスが得られた標準的化学療法はない.本腫瘍は他の腫瘍が化学療法によってその予後が改善されるに従い、あぶりだされてきた予後不良の腺癌である.しかしながら,本腫瘍はその多彩な形態的特徴もさることながら,組織発生や組織分化度診断,制癌剤感受性の面で,多くの興味ある神秘的な側面を備えており,そのことを知ることが本腫瘍制圧の糸口になる可能性もあるので,筆者が本腫瘍と付き合ってきた歴史を含めて,本腫瘍の性格と治療の現状について述べてみたい.
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