特集 Rare tumorの最新知識
Ⅲ.子宮頸部腫瘍
3.明細胞癌
鳥居 裕
1
,
藤井 多久磨
1
Y. Torii
1
,
T. Fujii
1
1藤田医科大学医学部産婦人科学講座
pp.873-877
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001813
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子宮頸部明細胞癌は子宮頸部腺癌の4〜9%を占める特殊組織型であり,ジエチルスチルベストロールの母体への投与が出生児の発症に関与するとされる一方,薬剤と無関係な発症例が多く報告されている。発症時に不正性器出血をきたすことが多く,またHPVと関連性がなく,内頸部に腫瘍を形成することが多いため,通常の子宮頸癌検診はスクリーニング検査として不十分である可能性が否めない。治療方法は通常の子宮頸癌と同様,FIGO Ⅱ期以下は手術,Ⅲ期以上はCCRTが選択され,その予後に大きな相違はみられないが,術後再発中リスクおよび低リスク群に対する術後補助療法として,放射線治療または化学療法を行うことの意義は乏しいとの報告が多数みられる。
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