Japanese
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特集 細胞骨格異常
アルツハイマー病と細胞骨格異常
Alzheimer's disease and cytoskeletal abnormality
岡沢 均
1
,
貫名 信行
1
Hitoshi Okazawa
1
,
Nobuyuki Nukina
1
1東京大学医学部神経内科
pp.193-196
発行日 1989年6月15日
Published Date 1989/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905263
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Alzheimer病を特徴づける神経病理所見に老人斑(senile plaque)と神経原線維変化(neurofibrillarychange,あるいはneurofibrillary tangle,NFT)の二つがある。前者はcoreと呼ぶamyloidの細胞外沈着とその周囲に伸びた変性神経突起からなる。amyloidは695から770残基のアミノ酸からなる膜蛋白の分解産物であることがわかっている。したがってamyloidの詳細は特集の主題から外れるのでここでは触れない。後者は光学顕微鏡で神経細胞内に火炎状あるいは球状に見える嗜銀性,およびCongo-red染色下の重屈折性を持った封入体である。Kiddの電子顕微鏡的観察により80nmごとにくびれのある膨大部24nm,狭小部10nmの線維状の構造物であることが分かり,これが一対の線維が絡み合ったもののように見えたためpaired helical filament(PHF)と呼ばれることになった1)。Wisniewskiはより高倍率の電子顕微鏡の観察から直径3〜5nmの8本のprotofilamentが絡み合ったものを想定しているが2),Wischik,Crowtherらのgroupは線維の長軸方向と垂直な向きを持った三つの球状のdomainを持つsubunitがdouble-helicalに重なりあったものとしている3)。
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