特集 あらためて見直すDown症候群――適切な管理とサポートで よりよい成人期につなげる
発達と生活のサポート――小児科医ができること・知っておきたいこと
15.食事と栄養の支援
西本 裕紀子
1
1大阪母子医療センター栄養管理室
pp.960-967
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003579
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Down症候群をもつ子どもは,ゆっくり成長発達する.乳幼児期の摂食機能発達は,粗大運動機能の発達と連動しているため,定型発達児の月齢に合わせた離乳の進め方を基準にすることは適切ではない.偏食や異常食癖を予防するためにも,発達段階に応じた離乳の進め方が重要となる.また,幼児期後半から肥満を呈するケースが少なくない.Down症候群をもつ子どもは低身長で除脂肪量も身体活動量も少なく,エネルギー必要量は定型発達児の80%程度が1つの目安になるが,成長曲線と肥満度判定曲線を用いて摂取量を評価する.知的障害を伴って肥満改善には難渋するため,幼児期から食事のルールを教えて,「適切に食べる力」を身につけられるように支援することが求められる.

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