小特集 ちょっと気になる関連他職種―在宅患者訪問薬剤指導・栄養食事指導・歯科衛生指導の現場から
在宅訪問栄養指導に取り組んで15年―在宅における栄養・食事管理の問題とその対応
田中 弥生
1
1南大和病院
pp.568-576
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901846
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
医療・保健・福祉の連携が求められている今日,在宅医療・介護へのニーズは急拡大しており,その充実が急がれている.中でも在宅療養を継続させる基盤となるものは食生活であり,要介護者の栄養状態を良好に保てるかどうかが寿命を左右すると同時に,療養の質にも大きくかかわってくることになる.また,要介護者の中には多様な疾患を持っている人が多く存在する.病状の緩和や治療の成績をあげるためには,栄養状態を良好にする必要がある.もちろん,「栄養素」について指導するだけが栄養指導ではない.食という行為は食環境によるさまざまな困難や心理的な面にも影響される.そのためにも管理栄養士が在宅訪問を行ない,「栄養」と「食事」を包括的,科学的にアセスメントしながら栄養状態の安定を図る必要があると考える.
さらに,これから導入される介護保険下では,多職種が協働してチームで在宅療養者を支援していくことになるが,その場合に,「栄養」の専門家としてチームに参画することはもちろん,個々のサービスの調整に当たるケアマネジメントにもかかわっていくことになるだろう.これらのことに私たち管理栄養士がどう対応していくかで,今後の管理栄養士の位置づけにも多大な影響が及んでくるのではないかと予想される.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.