特集 胃癌—その知識と対策のために
胃癌と栄養・食事
加藤 育子
1
,
富永 祐民
1
Ikuko KATO
1
,
Suketami TOMINAGA
1
1愛知県がんセンター研究所疫学部
pp.197-202
発行日 1987年3月15日
Published Date 1987/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207437
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■はじめに
食物は,Wynder1),Doll2)などが推計するように,癌に対する環境性の危険因子の中で,最も重要な位置を占めていると考えられる.胃は,摂取された飲食物が最初に貯留する場所であるため,その発癌に食物が大きく関与しているのではないかということは,古くから,推測されてきたことである.日本において胃癌は,なお最も頻度の高い癌であるが,その訂正死亡率は,1960年頃より低下を示してきている.また,アメリカ合衆国においても1930年以後,胃癌死亡率は急激な低下を示し,現在ではまれな癌となっている3).このような変化の理由は明らかではないが,食生活の変化によるところが大きいと推測されている.
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