特集 あらためて見直すDown症候群――適切な管理とサポートで よりよい成人期につなげる
発達と生活のサポート――小児科医ができること・知っておきたいこと
14.運動発達支援の実際
山本 良彦
1
1四徳学園長野保健医療大学保健科学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
pp.953-959
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003578
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Down症候群をもつ子どもの運動発達の特徴は,定頸(首のすわり)の遅れ,初歩(歩行開始)の遅れ,筋緊張の低さ(低筋緊張),平衡能力(バランス機能)の低さが挙げられる.これらの特徴により日常生活での運動や動作の習得に時間がかかることがある.また,Down症候群をもつ子どもの発達を支援するために理学療法(PT),作業療法(OT),言語聴覚療法(ST)という専門的なリハビリテーションが用いられる.小児期におけるリハビリテーションの目的は,障害を「正常に近づける」ことではなく,その子どもが「自分らしく」日常生活を過ごせるように支援することである.また,Down症候群をもつ人への発達支援は,小児期に限らず成人期・高齢期までを見据えた長期的な視点が必要である.

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