特集 日常診療で先天代謝異常症を見逃さないために
2.先天性高乳酸血症
内藤 悦雄
1
1徳島赤十字ひのみね総合療育センター小児科
キーワード:
先天性高乳酸血症
,
乳酸/ピルビン酸(L/P)比
,
ピルビン酸脱水素酵素複合体異常症
,
ミトコンドリア呼吸鎖異常症
,
ケトンフォーミュラ
Keyword:
先天性高乳酸血症
,
乳酸/ピルビン酸(L/P)比
,
ピルビン酸脱水素酵素複合体異常症
,
ミトコンドリア呼吸鎖異常症
,
ケトンフォーミュラ
pp.1365-1370
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001474
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高乳酸血症は血液中および髄液中の乳酸・ピルビン酸が増加する病態であり,乳酸の生理的前駆体であるピルビン酸は解糖系,ピルビン酸代謝,TCAサイクル,ミトコンドリア呼吸鎖,糖新生系,アミノ酸代謝の中心となる中間代謝産物である.これらの代謝経路の障害により一次的高乳酸血症(先天性高乳酸血症)を生じ,組織の低酸素状態(心不全,虚血・ショック,けいれんなど)により二次的高乳酸血症を呈するので,さまざまな病因や臨床症状が報告されている.日常診療において先天性高乳酸血症を見逃さないためには,まず臨床症状から乳酸の増加を疑い,乳酸を測定することが重要であり,次に先天性高乳酸血症の系統的な鑑別診断が必要である.
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