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特集 整形外科疾患における性差
リウマチ性疾患における性差
-―関節リウマチを中心に―
Sex differences in rheumatic diseases;focusing on rheumatoid arthritis
桃原 茂樹
1
Shigeki MOMOHARA
1
1慶應義塾大学医学部,先進運動器疾患治療学講座
キーワード:
Rheumatoid arthritis
,
Rheumatic diseases
,
Sex differences
Keyword:
Rheumatoid arthritis
,
Rheumatic diseases
,
Sex differences
pp.1543-1552
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002798
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要旨:リウマチ性自己免疫疾患の有病率には性差があるが,多くの疾患で女性の方が男性より罹患率が高い傾向にある。男女の自己免疫疾患に対する感受性は,自然免疫応答と獲得免疫応答の違いによって影響されると考えられており,女性の方が免疫応答は強い。また,うつ病や線維筋痛症などの併存疾患も女性の方が頻度が高いことも知られている。関節リウマチ(RA)は女性に多くみられ,女性の方が一般的に重症な症状を示す傾向があり,また関節の腫脹や痛み,疲労感などもより強く感じることが多いことはよく知られている。その理由として,遺伝やエストロゲンなどホルモンの影響により発症や増悪のリスクがあると考えられてはいるが,実際には詳細なメカニズムや原因についてはまだ解明されていない。性差によるリウマチ性疾患の病態や治療反応性などの相違点に関して,今後の解析が待たれる。
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