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特集 整形外科疾患における性差
骨粗鬆症における性差
Gender differences in osteoporosis
萩野 浩
1
Hiroshi HAGINO
1
1独立行政法人労働者健康安全機構 山陰労災病院,リハビリテーション科
キーワード:
Bone mineral density
,
Fracture incidence
,
Diagnosis
Keyword:
Bone mineral density
,
Fracture incidence
,
Diagnosis
pp.1535-1541
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002797
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要旨:女性では閉経によるエストロゲンレベルの急激な低下により,高骨代謝回転型の骨粗鬆症を発症するのに対し,高齢男性ではテストステロンレベルの減少が長期間に緩徐に進むため,骨粗鬆症性骨折のリスク上昇が女性に比較して遅れる。骨密度は男性が女性より高値であるが,身体の部位によってその差が異なり,皮質骨の割合が多い末梢骨が大きな差を示す。骨粗鬆症の有病率は50歳以降に女性が男性に比べて高値となる。大腿骨近位部骨折の発生率は男性が女性の半分程度である。このように骨粗鬆症有病率,骨折リスクは男性の方が低いが,ひとたび脆弱性骨折を生じると,生命予後は男性が女性に比較して不良である。男性では骨粗鬆症例に占める続発性骨粗鬆症の割合が女性に比べて高いため,骨粗鬆症の診断に際しては,骨粗鬆症を生じる疾患の鑑別が重要である。
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