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特集 整形外科疾患における性差
思春期特発性側弯症における性差
Gender differences in adolescent idiopathic scoliosis
渡辺 航太
1
Kota WATANABE
1
1慶應義塾大学,整形外科
キーワード:
Adolescent idiopathic scoliosis
,
Gender differences
,
Etiology
Keyword:
Adolescent idiopathic scoliosis
,
Gender differences
,
Etiology
pp.1553-1558
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002799
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要旨:思春期特発性側弯症(AIS)は女性が男性と比較して5~10倍多く発生する。発生頻度は世界中で一定と考えられてきたが,近年では年代差,地域差があることがわかってきた。性差の原因の一つとして,遺伝的要因が考えられている。子宮で強く発現しているBNC2という疾患感受性遺伝子,精巣に最も強く発現しているMIR4300HGという進行関連遺伝子は性差の原因となっている可能性が高い。そのほか,性ホルモンも側弯症発生に関与していると考えられ,性差の原因となっていると考えられている。臨床像も男女差がある。自然経過に関しては,男性では,Risser stage 4以降の骨成熟後期においても進行する可能性が高い。男性の装具療法の治療成績は,女性より明らかに不良である。男性ではカーブの可撓性が低い,コンプライアンスが悪いなどが成績不良の原因と考えられている。一方で,男性の手術成績は,過去には女性より不良とされてきたが,近年は同等であると考えられている。
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