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小児の画像診断における被ばく低減のためには,本当に必要な検査のみを小児の特性にあわせて施行する,検査の「正当化」と「最適化」が必須となる1)。検査の「最適化」については,すでに多くの施設でALARA(as low as reasonably achievable)の原則に基づき,線量の低減が行われていると思われる。しかし検査の「正当化」については,放射線科医と検査をオーダーする小児科医,さらに患者の家族まで含めた幅広いコミュニケーションが必要となり,実践には一段高いハードルが存在する。
当院では2010年7月より小児頭部外傷の診療にNICEガイドラインを導入した。これは2000年代以降高まってきた医療被ばく低減の動きに呼応したものである。それまで当院ではCTを撮るかどうかは個々の医師の判断に任されており,軽症例に対しても「念のため」のCTが多く行われていた。NICEガイドライン導入でそれがどのように変化したか。ガイドライン導入の経緯と導入前後のCT件数をまとめた。
また2014年からは小児の腹痛診療に積極的に超音波検査を活用する試みも開始した。超音波検査は被ばくのリスクを気にせず,繰り返し検査を行うことが可能で,小児の腹痛診療では第一選択となる検査である。超音波検査の活用でCT件数がどう変化したかもあわせて紹介する。
Justification and optimization are two main fundamental principles of reducing radiation exposure in pediatric imaging. To achieve justification, we have used NICE clinical guideline for minor head injury in our pediatric emergency department since 2010. The head CT rate was 80.7% before introducing the guideline. The head CT rate dropped to 53.6% in 2011 and to 47.1% in 2016. The guideline is effective at reducing head CT utilization without missing significant injuries, thus helping to achieve justification.
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