Japanese
English
特集 「実感と納得」に向けた病気と治療の伝え方
社交不安症
Treatment of Social Anxiety Disorder
朝倉 聡
1
Satoshi Asakura
1
1北海道大学保健センター・大学院医学研究院精神医学教室
1Health Care Center and Department of Psychiatry, Hokkaido University Graduate School of Medicine, Sapporo, Japan
キーワード:
社交不安症
,
social anxiety disorder
,
SAD
,
NICEガイドライン
,
NICE guideline
,
SADの小精神療法
,
essence of psychotherapy for SAD
,
標準化
,
standardization
,
個別化
,
personalization
Keyword:
社交不安症
,
social anxiety disorder
,
SAD
,
NICEガイドライン
,
NICE guideline
,
SADの小精神療法
,
essence of psychotherapy for SAD
,
標準化
,
standardization
,
個別化
,
personalization
pp.1641-1648
発行日 2021年11月15日
Published Date 2021/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206488
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抄録 「実感と納得」に向けた社交不安症(social anxiety disorder:SAD)の治療について,英国の「NICEガイドライン」,わが国で提案された「SADの小精神療法」も参考に述べた。治療には,ガイドラインなどによる標準化は重要と考えられるが,個々の病態に合わせた個別化も必要と思われる。SADでは,症状は自分の性格特性で変えることはできないと信じ込んでいたりして治療に繋がらないことも多い。このため,症状を心情的レベルで丁寧に聞き取ることを通して,自らを理解してもらえる人に出会えたという「実感」が重要と思われる。「納得」を得るためには,温かく情緒的な治療関係を築けるように配慮し,病態理解や症状は治療経過の中で変化していくことがあるため,それぞれの場面に合わせた受け入れられやすい説明を工夫する必要があると考えられる。
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