特集 腹腔鏡下胃切除後体腔内再建のKnack & Pitfalls
Ⅲ.腹腔鏡下噴門側胃切除術 4) ナイフレス自動縫合器を用いた食道残胃吻合による再建
河村 祐一郎
1
,
藤川 貴久
1
1小倉記念病院外科
キーワード:
噴門側胃切除
,
食道残胃吻合
,
ナイフレス自動縫合器
Keyword:
噴門側胃切除
,
食道残胃吻合
,
ナイフレス自動縫合器
pp.61-68
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000001009
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噴門側胃切除術は,胃全摘術より後年の1896年にMikuliczが試みた1)ことに始まり,成功したのは,1908年のVolckerとされている2)。その当初の目的は,胃全摘術を回避して術関連死を減らすことであった。一方,麻酔法,抗菌薬などの周術期の管理状況,手術技術が向上した現代では,胃切除術全般の術関連死率は著明に減少し,噴門側胃切除術の目的は胃の機能温存に変わってきている。従来,噴門側切除術の対象は,早期胃癌,低リスクGISTといった予後良好な病変が主たる対象であり,術後の長期予後が期待される症例が多い。さらに近年では,一部の食道胃接合部癌に対する下部食道・噴門側胃切除術の術式が増えると予測され,噴門側胃切除後の再建方法は再び注目されている。
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